Jリーグの国立競技場での試みは、東京のサッカーの潜在能力を解き放つ
平均観客動員数約5万人を記録したMUFGスタジアムは、リーグ最強の商業プラットフォームの一つとなり、東京都心におけるサッカー専用スタジアム建設の機運を高めている。
木崎伸也
2026年10月04日
Jリーグの近年の最も成功した取り組みの一つに、現在「MUFGスタジアム」として知られる国立競技場での試合開催がある。
同スタジアムは東京都心に位置し、3つの鉄道・地下鉄路線の駅から徒歩圏内にある。また、世界的に有名な渋谷のスクランブル交差点からタクシーで10分もかからない距離だ。
そのアクセスの良さが、平均5万人に迫る観客動員を後押ししている。

国家的ランドマークをJリーグのプラットフォームに変える
Jリーグは2022年に、国立競技場での定期的な試合開催の試験運用を開始した。
リーグの規則では通常、各クラブはホームゲームの80%以上を自クラブのホームタウン内のスタジアムで開催することが義務付けられている。Jリーグは伝統的に、各クラブが地域コミュニティに根ざしてプレーすることを重視してきた。
国立競技場を恒久的な本拠地として登録しているクラブは存在しない。そのため、かつての試合開催はロンドンのウェンブリー・スタジアムと同様に、特別な機会に限られていた。それは日常的なリーグ会場ではなく、特別なイベントのための国家的ステージとして機能していた。
その方針は、東京2020オリンピック競技大会(パンデミックの影響で2021年に開催)に向けてスタジアムが建て替えられた後に変化し始めた。
リーグはスタジアム利用規則をより柔軟に解釈し、新しいスタジアムをJリーグブランドを強化するためのプラットフォームとして活用することを決定した。

記念試合から「THE KOKURITSU DAY」へ
2023年5月、リーグは30周年を記念して、国立競技場でFC東京対川崎フロンターレ、鹿島アントラーズ対名古屋グランパスの試合を開催した。
続いて、FC東京対ヴィッセル神戸、湘南ベルマーレ対川崎フロンターレ、ヴィッセル神戸対鹿島アントラーズの3試合が行われた。
2024年、リーグはこの取り組みを「THE KOKURITSU DAY」と正式に冠し、国立競技場で13試合を開催した。

このプログラムは、商業的にも観客動員面でも大きな成功を収めた。これらの試合には平均50,320人の観客が訪れた。2025年には10試合が行われ、平均約48,000人を動員した。
その規模は、欧州のビッグクラブと比較するとより明確になる。マンチェスター・シティは2025/26シーズンに平均52,640人、パリ・サンジェルマンは平均47,577人を記録した。Jリーグの国立競技場での観客数は、この範囲に十分に収まっている。
新カレンダーでの記録的なスタート
この取り組みは2026年も継続している。8月に開幕した2026/27新シーズンでは、国立競技場で18試合が予定されている。
横浜F・マリノス対鹿島アントラーズの開幕戦には63,960人の観客が詰めかけ、Jリーグの最多観客動員記録を更新した。
このプログラムの成功は、約1,400万人の人口を抱える大都市市場である東京のサッカーにおける潜在能力を示している。アクセスしやすい都心の会場で主要な試合を提供すれば、リーグは5万人に迫る観客動員を十分に期待できる。
東京都心のサッカー専用スタジアム建設の意義
国立競技場は陸上トラックを備えており、サッカー専用として設計されたものではない。
しかし、その実績はより大きな問いを提起している。もし東京都心に専用のサッカースタジアムが建設されたなら、レアル・マドリードやバイエルン・ミュンヘンに匹敵する観客を定期的に集められるのではないだろうか?
平均観客動員数7万人という数字も、もはや非現実的ではないように思える。
サッカークラブ、不動産開発業者、地方自治体が連携するプロジェクトは、都市にとって新たな種類のスポーツ資産を生み出す可能性がある。「THE KOKURITSU DAY」が示した証拠は、その観客層がすでに存在することを示唆している。
東京都心のサッカー専用スタジアムは、日本のサッカービジネスを全く新しいフェーズへと押し上げる可能性がある。
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